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キャリアの教科書
面接対策

退職理由の面接での答え方|本音別の言い換えと転職理由の例文

公開 更新 読了 約12分
執筆: 林 祐輝

この記事の要点

  • 退職理由で面接官が確かめているのは、同じ理由でまた辞めないか、他人のせいにしていないか、志望動機とつながっているかの3つ。
  • 本音は隠さず「事実→自分が取った行動→次に求める環境」の順に言い換える。嘘をつく必要はなく、話す順番と言葉を選べば足りる。
  • 人間関係・給与・残業が本音でも、応募先で解消される具体的な条件に置き換えれば、そのまま志望動機の前半になる。
  • 前職の批判、待遇だけの理由、書類と食い違う説明、長すぎる説明の4つは、理由の中身より先に評価を下げる。
目次

面接で退職理由を聞かれたら、本音を隠す必要はありません。人間関係でも給与でも残業でも、「何が起きたか(事実)」「それに対して自分は何をしたか(行動)」「だから次はどんな環境で働きたいか(希望)」の順に並べ替えれば、評価を下げる理由にはなりません。落ちるのは理由の中身ではなく、前職の批判で終わる話し方です。この記事では、人材紹介のリードキャリアで求職者の面接準備を支援しているキャリアアドバイザーの立場から、本音別の言い換え方と回答例、在職中・離職中・短期離職の場合の答え方を、そのまま使える形でまとめます。

面接官が退職理由で確かめている3つのこと

退職理由の質問は、あなたの過去を責めるためのものではありません。採用する側にとって、入社した人がすぐに辞めることは、採用にかけた費用と時間がそのまま失われることを意味します。そのため面接官は、退職理由の答えから次の3つを確かめようとしています。

退職理由の質問で面接官が見ているポイント
確かめていること面接官の頭の中答えで示すもの
同じ理由でまた辞めないか前職で嫌だったことは、うちでも起きるのではないか応募先ではその理由が解消される、という具体的な根拠
他人のせいにしていないかうまくいかないとき、周りのせいにする人ではないか不満に対して自分が取った行動
志望動機とつながっているか辞める理由と、うちを選んだ理由は同じ話なのか退職理由の裏返しが志望動機になっている構成

この3つを満たしていれば、理由が人間関係でも給与でも大きな減点にはなりません。逆に、どれだけ前向きな言葉を選んでも、応募先で同じ不満が起きそうな説明や、行動の見えない説明は、面接官の不安を消せません。面接でよく聞かれる質問20選でも触れているとおり、転職理由・志望動機・実績・今後の希望が一本の線でつながっているかどうかが、面接全体の評価を左右します。退職理由はその線の出発点です。

「退職理由」と「転職理由」の違い面接では「なぜ辞めるのか(辞めたのか)」と「なぜ転職するのか」を、ほぼ同じ意味で聞かれます。厳密には、退職理由は過去の会社を離れる理由、転職理由は次の会社に移る理由です。答えるときは、退職理由を短く述べてから、転職で実現したいこと(転職理由)に話を移すと、自然に前向きな締めになります。

本音の退職理由は何が多いのか:公的データで確認する

「人間関係が理由で辞めるのは自分だけではないか」と気にする方は少なくありません。厚生労働省の雇用動向調査では、転職して入社した人が前の職場を辞めた理由を毎年集計しています。令和7年の結果から、個人的な理由の主な項目を抜き出したのが次の表です。

転職入職者が前職を辞めた理由別割合(令和7年、一部の項目を抜粋、単位:%) 出典: 厚生労働省『令和7年雇用動向調査結果の概況』表5
前職を辞めた理由男性計女性計男性25〜29歳女性25〜29歳
給料等収入が少なかった9.98.613.113.4
職場の人間関係が好ましくなかった8.911.510.710.5
労働時間、休日等の労働条件が悪かった8.512.910.514.1
会社の将来が不安だった6.94.311.04.1
仕事の内容に興味を持てなかった5.24.66.54.1
能力・個性・資格を生かせなかった5.23.95.65.2

この表は、理由ごとの割合を合計が100%になる形で集計したものです。表にない項目として、「その他の個人的理由」「定年・契約期間の満了」「会社都合」「結婚」「出産・育児」「介護・看護」などがあります。男性では給料、女性では労働時間や休日などの労働条件が、具体的な理由の中で最も高くなっていました。人間関係は男女とも1割前後を占めています。

つまり、給料・人間関係・労働条件は、転職する人が挙げる理由として決して珍しいものではありません。面接官もそのことは分かっています。問題になるのは理由そのものではなく、その伝え方だという前提で、以下を読み進めてください。

答え方の型:事実→行動→次に求める環境

退職理由の回答は、次の3段で組み立てると、どの理由でも崩れません。話す長さは1分前後、文字にすると250〜300字程度が目安です。

  1. 事実を1〜2文で述べる「何が不満だったか」ではなく「どういう状況だったか」を、感情を入れずに話します。例えば「上司と合わなかった」ではなく「業務の進め方を上司と相談する機会がほとんどない体制でした」と、状況として描写します。
  2. 自分が取った行動を1文入れる異動の希望を出した、上司に提案した、業務を工夫した、資格を取ったなど、辞める前に自分で動いたことを入れます。これが「他人のせいにしていないか」への答えになります。行動がまったくない場合は、その状況から何を学んだかを述べます。
  3. 次に求める環境を、応募先の事実と結びつけて締める「だから〇〇な環境で働きたい」と希望を述べ、応募先の求人票や面接で聞いた内容のどこがそれに当てはまるかを添えます。ここがそのまま志望動機の前半になります。

この型の考え方は、転職の始め方で紹介している「不満を希望に言い換える」作業と同じです。転職活動の最初に不満を希望に変換しておけば、面接の退職理由はほぼそのまま作れます。

言い換えはしても、事実を変える嘘はつかない退職の事由は、退職証明書で確認できる情報の1つです。労働基準法第22条では、退職した労働者が使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職の事由について証明書を請求した場合、会社は遅滞なく交付しなければならないと定められています(記載されるのは本人が請求した事項だけです)。会社都合の退職を自己都合と言う、在籍期間を伸ばして話すといった事実の作り替えは、入社後に発覚すると経歴詐称の問題になり得ます。変えてよいのは言葉と順番だけです。

本音別の言い換え方と回答例

まず、よくある本音と言い換えの方向を一覧にします。そのあとで、理由ごとに回答例を示します。回答例は型を示すためのものなので、事実の部分はご自身の状況に置き換えてください。

本音の退職理由と、面接での言い換えの方向
本音そのまま言うと伝わること言い換えの方向
上司・同僚と合わない次の職場でも人とぶつかるのでは仕事の進め方・評価の仕組み・チーム体制の話に置き換える
給料が安い・上がらない条件次第でまた辞めるのでは成果と報酬が連動する評価制度を求める話にする
残業が多い・休めない忙しいと辞めるのでは時間あたりの成果を上げたい、長く働き続けたい話にする
仕事がつまらない飽きっぽいのではやりたい業務と、そのために積んだ経験の話にする
評価されない自己評価が高すぎるのでは評価基準が明確な環境で成果を出したい話にする
会社の将来が不安会社の悪口を言う人なのでは伸びている分野で経験を積みたい話にする

人間関係が理由の場合

面接官が最も警戒する理由です。「人間関係が悪かった」とだけ言うと、原因があなたの側にあるのか職場の側にあるのか判断できず、念のため不合格にされやすくなります。特定の誰かの話ではなく、仕組みや体制の話に置き換えることが要点です。上司の言動が理由でも、「上司が高圧的だった」ではなく「業務の判断がすべて上司1人に集中しており、相談や提案の場がない体制だった」と描写すれば、個人攻撃にはなりません。

現職では、業務の判断がほぼすべて上司1人に集まっており、メンバーから改善を提案する場がありませんでした。週次の打ち合わせを提案して半年ほど続けましたが、体制を変えるところまでは至りませんでした。チームで意見を出し合いながら進める働き方をしたいと考え、求人票でチーム制と定例の振り返りを明記されている御社に応募しました。回答例:人間関係(上司との関係)

ハラスメントを受けていた場合でも、面接で詳細を語る必要はありません。「職場環境の問題があり、社内の相談窓口にも相談したうえで、環境を変える判断をしました」程度にとどめ、すぐに次の希望に話を移すほうが、面接官に余計な想像をさせずに済みます。

給与・年収が理由の場合

給与は正当な転職理由ですが、「給料が安いから」だけでは「もっと高い会社があればまた移るのでは」と受け取られます。金額そのものではなく、成果と報酬の結びつき方、つまり評価制度の話に置き換えます。具体的な希望額は、退職理由とは別に希望年収を聞かれたときに伝えるほうが、話が混ざりません。

現職は年功で給与が決まる仕組みで、担当顧客を前年から3割増やした年も評価に差がつきませんでした。上司とも面談で相談しましたが、制度上難しいという回答でした。成果が評価と報酬に反映される環境で、より大きな目標に挑戦したいと考えています。御社は個人目標と評価の連動を説明会で詳しく伺い、その点に強く惹かれました。回答例:給与・評価制度

残業・休日・労働条件が理由の場合

残業の多さは、伝え方を誤ると「忙しくなったら辞める人」に見えます。言い換えの軸は「楽をしたい」ではなく「長く働き続けたい」「時間あたりの成果を上げたい」です。残業時間は月何時間だったかなど、事実を数字で言えるとより伝わります。一方で、応募先の残業時間がそれほど少なくない場合は、この理由を前面に出すと矛盾が生じます。応募先の実態を確認してから使ってください。

現職では恒常的に月60時間前後の残業があり、業務の見直しを提案して一部の資料作成は削減できましたが、人員体制の問題で全体は変わりませんでした。今後は資格の勉強も続けながら、腰を据えて長く働ける環境で専門性を高めたいと考えています。御社では業務の標準化を進めていると伺い、その仕組みづくりにも経験を活かせると考えました。回答例:残業・労働時間

仕事内容・やりがいが理由の場合

「仕事がつまらない」「やりたいことと違った」は、言い方次第で前向きにも飽きっぽくも聞こえます。分かれ目は、やりたい業務のために今まで何をしてきたかを話せるかどうかです。独学・資格・社内での手挙げなど、すでに動いている事実があれば、それが説得力の根拠になります。

現職では営業事務として受発注を担当していますが、取引データを集計して営業部に共有するうちに、データ分析そのものを仕事にしたいと考えるようになりました。業務外でも統計の資格を取り、社内で分析担当への異動を希望しましたが、部署の新設予定がありません。分析の結果を事業の判断に使う御社のマーケティング部で、集計の実務経験を活かしたいと考えています。回答例:仕事内容・キャリアチェンジ

評価・会社の将来性が理由の場合

「評価されない」はそのまま言うと自己評価の高さに聞こえやすく、「会社の将来が不安」は前職の批判に聞こえやすい理由です。どちらも、前職の判断を論評せず、自分が求める環境の話に絞ります。会社の業績悪化や事業縮小は、公表されている事実であれば短く触れて構いません。

所属している事業部が縮小の方針となり、新規の案件がほとんどない状態が続いています。これまで培った法人営業の経験を、市場が伸びている分野で使いたいと考え、転職を決めました。回答例:会社の将来性・事業縮小

家庭の事情・会社都合の場合

結婚・出産・介護・転居などの家庭の事情や、倒産・事業所閉鎖・希望退職などの会社都合は、言い換える必要がない理由です。事実を簡潔に述べ、「現在は業務に支障がない状態であること」または「今後どう働きたいか」を添えれば十分です。介護や育児で働き方に制約がある場合は、隠さずに伝えたほうが、入社後のミスマッチを防げます。

家族の介護のため地元に戻ることになり、退職しました。現在は介護サービスの利用体制が整い、フルタイムで勤務できる状況です。地元の企業で、これまでの経理の経験を長く活かしたいと考えています。回答例:家庭の事情(介護・転居)

状況別の答え方:在職中・離職中・短期離職・転職回数が多い

同じ退職理由でも、今の状況によって面接官が気にする点が変わります。それぞれ、型に1文足すべき内容が異なります。

状況別に面接官が気にする点と、足す一言
状況面接官が気にすること足す一言
在職中本当に辞めるのか、引き止めで残らないか退職の意思が固まっていることと、入社可能な時期
離職中なぜ次を決める前に辞めたのか、空白期間に何をしていたか先に辞めた事情と、離職中に取り組んでいること
短期離職またすぐ辞めるのではないか入社前の判断の何が足りなかったか、今回どう確かめたか
転職回数が多い長く定着するのか各社の理由を貫く1本の軸と、腰を据える理由

在職中の場合

在職中は「辞めるつもり」の段階なので、退職理由は現在形で話します。面接官が気にするのは、内定を出しても引き止めにあって残ってしまうのではないか、という点です。退職の意思が固いことと、入社までに必要な期間をはっきり伝えると安心されます。会社への伝え方や引き止めへの対応は退職の伝え方とタイミングで、面接日程の組み方などは在職中の転職活動の進め方で詳しく解説しています。

離職中の場合

次を決めずに辞めた場合は、「なぜ先に辞めたのか」が必ず聞かれます。体調を整えるため、引き継ぎを終えてから集中して活動したかったため、在職中は時間が取れなかったためなど、事実を1文で述べます。そのうえで、離職中に取り組んでいること(資格の勉強、業界研究、職業訓練など)を添えると、空白期間への懸念も同時に消せます。離職後の活動の進め方は転職活動の期間の目安を参考にしてください。

短期離職の場合

入社から1年以内などで辞める場合、面接官の最大の関心は「次もすぐ辞めないか」です。ここで前職の求人票や説明の不正確さを強く責めると、判断の甘さを他人のせいにしているように聞こえます。入社前の自分の確認に何が足りなかったかを先に認め、今回の転職でそれをどう確かめているかを具体的に話すのが要点です。

入社前は企画職と伺っていましたが、実際の業務はほぼ電話営業で、半年間続けた後に配置転換の可能性も確認しましたが難しいとのことでした。入社前に業務の割合まで確認しなかったのは私の反省点です。今回は面接で1日の業務の流れを伺い、職務内容を書面でも確認したうえで応募しています。回答例:短期離職

転職回数が多い場合

転職回数が多い場合は、1社ずつ別々の退職理由を並べると「理由があればすぐ辞める人」に見えてしまいます。各社の理由を貫く1本の軸を先に示し、個別の理由はその軸に沿って短く話す構成にします。この組み立て方は転職回数が多い人の面接と職務経歴書で、詳しく手順を紹介しています。

評価を下げるNGな答え方

次の答え方は、理由の中身にかかわらず評価を下げます。準備した回答がどれかに当てはまっていないか、確認してください。

退職理由のNG回答と、言い直しの例
NGな答え方なぜ評価が下がるか言い直しの例
「上司が無能で」「会社がブラックで」と批判する入社後に自社も同じように言われると想像される体制・仕組みの事実だけを述べる
「給料が安かったので」で終わる条件が良い会社があればまた移ると思われる評価制度と成果の話に置き換える
「特にありません」「キャリアアップのため」とだけ言う本当の理由を隠していると受け取られる具体的に何をアップしたいかを述べる
前職の不満を3つも4つも挙げる不満の多い人という印象だけが残る主な理由を1つに絞る
応募先でも解消されない理由を言ううちでも同じことが起きると判断される応募先の実態を確認してから理由を選ぶ
履歴書・職務経歴書と内容が違うどちらかが嘘ではないかと疑われる書類と口頭の説明をそろえる
2分以上かけて経緯を細かく話すまだ前職を引きずっていると見られる1分前後で、後半を希望の話にする

特に多いのが、退職理由を話すうちに感情が入り、前職の批判に流れてしまうパターンです。準備の段階では言い換えられていても、面接官に「具体的には?」と深掘りされた瞬間に本音の言葉が出てしまうことがあります。深掘りされたときの2つ目の答えまで、事実と行動の言葉で準備しておくと崩れません。

深掘りされたときの準備「具体的にはどんなことがありましたか」「それは改善できなかったのですか」「うちでも同じことが起きたらどうしますか」の3つは、退職理由の後に続けて聞かれやすい質問です。それぞれに1〜2文で答えられるようにしておくと、面接の流れが安定します。

退職理由の作り方:面接前の準備手順

退職理由は、面接の直前に考えるとどうしても言い訳の形になります。次の順番で、書き出してから声に出して整えるのが近道です。

  1. 本音をすべて書き出す人に見せない前提で、辞めたい理由を思いつくだけ書きます。給料、人間関係、残業など、言葉を選ばずに書くことで、自分が本当に変えたいものが見えてきます。
  2. 一番大きな理由を1つ選ぶ書き出した中で、それが解消されれば今の会社に残ってもよいと思えるものを1つ選びます。それが面接で話す退職理由の軸です。複数を並べると不満の多い人に見えます。
  3. 事実と、自分が取った行動を書き足すその理由について、いつ・どんな状況だったか(数字があれば数字)と、改善のために自分がしたことを書きます。行動が思い当たらない場合は、そこから何を学んだかを書きます。
  4. 応募先で解消される根拠を探す求人票・採用ページ・面接で聞いた話から、その理由が応募先では起きにくいと言える事実を拾います。見つからない場合は、その会社に応募すること自体を考え直す材料になります。
  5. 1分で声に出して話し、書類とそろえる事実→行動→希望の順で1分前後に収め、録音して聞き返します。履歴書の退職の記載や、職務経歴書の内容と矛盾がないかも確認します。

なお、書類に退職理由を詳しく書く必要は基本的にありません。履歴書の職歴欄は、自己都合なら「一身上の都合により退職」、会社都合なら「会社都合により退職」と書くのが一般的です。職務経歴書にも退職理由は原則不要で、短期在籍の会社にだけ1行添える程度にとどめます。詳しい説明は面接で口頭で行うほうが、誤解を生みません。

  • 退職理由は1つに絞れている
  • 特定の人ではなく、仕組みや体制の事実として話せている
  • 辞める前に自分が取った行動(または学んだこと)が入っている
  • 応募先でその理由が解消される根拠を、求人票や面接の内容から挙げられる
  • 退職理由の後半が、そのまま志望動機につながっている
  • 1分前後で話し終えられる
  • 「具体的には?」と深掘りされたときの答えも準備している
  • 履歴書・職務経歴書の記載と矛盾していない

一人で言い換えを考えると、どうしても自分の感情が入った言葉が残りがちです。転職エージェントを使っている場合は、初回面談で本音の退職理由をそのまま話し、面接用の言い方を一緒に整えてもらう使い方もできます。エージェントの比較は総合ランキングにまとめています。

まとめ

退職理由の答え方で大切なのは、本音を隠すことではなく、並べ替えることです。何が起きたかという事実、それに対して自分が取った行動、だから次はどんな環境で働きたいかという希望。この順で1分前後にまとめ、希望の部分を応募先の事実と結びつければ、退職理由はそのまま志望動機の入り口になります。厚生労働省の調査でも、給料・人間関係・労働条件は転職する人がよく挙げる理由です。理由そのものを恥じる必要はありません。前職の批判を避け、書類と話をそろえ、深掘りされたときの答えまで準備しておけば、退職理由で落ちることはほとんどなくなります。

よくある質問

面接で退職理由を正直に言うと落ちますか。
正直に言うこと自体で落ちることはほとんどありません。落ちる原因は、前職の批判で終わる話し方や、応募先でも同じ不満が起きそうな説明です。本音は残したまま、事実・自分の行動・次に求める環境の順に並べ替えて話してください。
人間関係が本当の退職理由です。面接で正直に言ってもいいですか。
言って構いませんが、特定の人の話ではなく、仕組みや体制の話として伝えてください。「上司と合わなかった」ではなく「判断が1人に集中し、提案の場がない体制だった」のように描写し、自分が取った行動と、次に求める働き方を続けます。ハラスメントなどの場合も詳細は語らず、相談したうえで環境を変える判断をした、程度にとどめると十分です。
退職理由と転職理由(志望動機)は分けて答えるべきですか。
分けて聞かれることもありますが、中身はつながっているべきです。退職理由で述べた「現職ではできないこと」が、志望動機の「応募先でならできること」の裏返しになっていると、話に一貫性が出ます。別々の話になっていると、本当の理由を隠していると受け取られやすくなります。
給料が理由の転職でも、面接で年収の話をしていいですか。
退職理由としては、金額より評価制度や成果と報酬の結びつきの話にしたほうが伝わりやすくなります。具体的な希望額は、希望年収を聞かれた場面で根拠と一緒に伝えれば問題ありません。退職理由の中で金額の不満を繰り返すと、条件次第でまた移る人に見えるので避けたほうが無難です。
退職理由で嘘をつくとバレますか。
在籍期間や退職の事由など事実を変える嘘は、入社手続きの書類や前職の退職証明書などから食い違いが分かる可能性があります。労働基準法第22条では、退職した労働者が請求すれば、会社は退職の事由などを記した証明書を交付しなければならないとされています。事実を作り替えるのではなく、言葉と話す順番を選ぶことで対応してください。
退職理由は何分くらいで話せばいいですか。
1分前後、文字にして250〜300字程度が目安です。経緯を細かく話すほど前職への不満が強く見えるため、事実は1〜2文にとどめ、後半を次に求める環境の話に使ってください。面接官が詳しく知りたければ、追加で質問してくれます。

この記事を書いた人

林 祐輝

リードキャリア キャリアアドバイザー

人材紹介の現場で求職者と企業の双方に向き合い、ホワイト企業に絞った転職支援を行う。SNSでは採用の裏側や企業選びの考え方を発信し、複数アカウントで累計数万人に届ける。

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