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キャリアの教科書
転職の始め方

転職の始め方 完全ガイド|何から手をつけるべきか、順番で解説

公開 更新 読了 約12
執筆: キャリアの教科書 編集部監修: 林 祐輝リードキャリア 代表 / キャリアアドバイザー

この記事の要点

  • 転職活動は「軸の整理→情報収集→書類→面接→内定・退職」の5段階。順番を守ると迷いが減る
  • 在職中に始めるのが原則。収入が途切れないので、条件の悪い内定に飛びつかずに済む
  • 平均的な活動期間は3〜6か月。書類作成に2週間、応募から内定まで1〜2か月が目安
  • 求人サイト・エージェント・リファラルの3ルートを併用すると選択肢が広がる
目次

「転職したい気持ちはあるけれど、何から手をつければいいか分からない」。キャリア面談で最も多く聞く言葉です。結論から言うと、転職活動には決まった順番があり、その順番どおりに進めるだけで迷いの大半は消えます。この記事では、転職を思い立った日から入社日までの流れを、実際の面談で伝えている内容そのままに解説します。

転職活動の全体像:5つのステップ

転職活動は大きく5つのステップに分かれます。多くの人が失敗するのは、ステップ1を飛ばしていきなり求人を見始めるからです。軸が決まっていないと、求人を見るたびに気持ちが揺れ、応募先が定まらないまま時間だけが過ぎていきます。

  1. 転職の軸を整理する(1〜2週間)なぜ転職するのか、次の会社で何を優先するのかを言語化します。年収・働き方・仕事内容・人間関係のうち、譲れないものを2つまでに絞るのがコツです。
  2. 情報収集と求人の選定(2〜4週間)求人サイト、転職エージェント、知人紹介の3ルートで求人を集め、軸に合うものを10〜20社ピックアップします。
  3. 履歴書・職務経歴書の作成(1〜2週間)応募先ごとに微調整できる「ベース版」を作ります。実績は数字で書くのが原則です。
  4. 応募・面接(1〜2か月)同時に5〜10社ほど進めるのが一般的です。1次面接から最終面接まで、1社あたり2〜4週間かかります。
  5. 内定・条件交渉・退職手続き(1〜2か月)内定後は労働条件通知書を確認し、退職の意思表示は入社日の1〜2か月前に行います。

ステップ1:転職の軸を整理する

最初にやるべきことは求人を探すことではなく、「自分は何を変えたくて転職するのか」をはっきりさせることです。ここが曖昧なまま進めると、内定が出た瞬間に「本当にこの会社でいいのか」と迷い、結局辞退して振り出しに戻るケースが非常に多くあります。

転職理由を「不満」から「希望」に変換する

転職理由の出発点はたいてい不満です。残業が多い、給料が上がらない、上司と合わない。それ自体は自然なことですが、不満のままでは求人を選ぶ基準になりません。「残業が多い」なら「月の残業が20時間以内で、有給が取りやすい環境で働きたい」というように、希望の形に言い換えます。

不満を希望に変換する例
今の不満希望として言い換えた軸求人で確認する項目
残業が多い月20時間以内の残業で働きたい平均残業時間、みなし残業の有無
給料が上がらない評価制度が明確で、昇給の実績がある会社昇給実績、評価制度の説明
将来性が不安成長している業界・事業で働きたい業績推移、事業の投資領域
人間関係がつらい離職率が低く、定着している職場平均勤続年数、離職率

譲れない条件は2つまで

すべての条件を満たす求人はほぼ存在しません。年収・残業・仕事内容・勤務地・企業規模のうち、「これが満たされないなら転職する意味がない」というものを2つまでに絞ってください。残りは「あれば嬉しい」に格下げします。この線引きがあると、求人の取捨選択が一気に速くなります。

ステップ2:情報収集と求人の選定

軸が決まったら求人を集めます。ルートは主に3つあり、それぞれ得意分野が違います。1つに絞らず併用するのが基本です。

求人を集める3つのルート
ルート向いている人メリット注意点
求人サイト自分のペースで幅広く見たい人求人数が多く、比較しやすいブラック企業も混ざる。見極めは自力
転職エージェント初めての転職、忙しい人非公開求人、書類添削、面接対策、条件交渉担当者の質に差がある。合わなければ変更を
知人紹介(リファラル)業界内に知り合いがいる人内部事情を聞ける。選考が通りやすい断りにくい。条件交渉がしづらい
求人票で最初に見るべき3項目「平均勤続年数」「みなし残業の有無と時間」「募集の背景(増員か欠員か)」。この3つを見るだけで、応募すべきでない求人の多くを最初の段階で除外できます。詳しくは「ホワイト企業の見分け方」の記事で解説しています。

ステップ3:履歴書・職務経歴書を作る

書類選考の通過率は、応募者の経歴そのものよりも「書き方」で大きく変わります。同じ経歴でも、業務内容を羅列しただけの書類と、成果を数字で示した書類では、通過率に明確な差が出ます。

  • 職務経歴書は2〜3枚に収める。長いほど読まれない
  • 実績は「何を・どれだけ・どうやって」の3点セットで書く
  • 冒頭に3〜5行の「職務要約」を置き、読み手が全体像を10秒でつかめるようにする
  • 応募先の求人票にあるキーワードを、自分の経験に紐づけて自然に入れる

ステップ4:応募と面接

応募は1社ずつではなく、5〜10社を同時並行で進めます。理由は2つあります。1つは比較対象があることで冷静に判断できること、もう1つは複数の内定を持つことで条件交渉がしやすくなることです。

面接の一般的な流れ

  1. 書類選考(応募から1〜2週間で結果)
  2. 1次面接:現場責任者や人事。経歴の確認と人柄の見極め
  3. 2次面接:部門長クラス。スキルの深掘りと配属の判断
  4. 最終面接:役員や社長。入社意欲とカルチャーフィットの確認
  5. 内定・オファー面談:条件提示と質疑

面接で必ず聞かれるのは「転職理由」「志望動機」「これまでの実績」「今後やりたいこと」の4つです。この4つの答えが一本の線でつながっていると、面接官は「この人の話は筋が通っている」と評価します。

ステップ5:内定から退職・入社まで

内定が出たら、まず労働条件通知書(またはオファーレター)を必ず書面で受け取ってください。口頭の条件は後で食い違うことがあります。年収、勤務地、勤務時間、試用期間、みなし残業の有無を確認し、疑問があればこの段階で質問します。

退職を伝えるタイミング退職の意思表示は、内定承諾後に行うのが原則です。法律上は2週間前で足りますが、就業規則で1か月前と定めている会社が多く、引き継ぎを考えると入社日の1.5〜2か月前が現実的です。内定前に伝えると、万一選考が流れたときに戻る場所がなくなります。

モデルスケジュール:3か月で内定を取る場合

在職中に3か月で転職する場合の目安
期間やることポイント
1〜2週目軸の整理、エージェント登録、求人サイト登録面談で第三者の意見を聞くと軸が固まりやすい
3〜4週目職務経歴書作成、応募先の選定(10〜20社)エージェントの添削を受けて完成度を上げる
5〜8週目応募、1次〜2次面接平日夜・土曜面接の可否を早めに確認
9〜11週目最終面接、内定、条件確認複数内定なら比較して決める。即答しない
12週目〜退職の意思表示、引き継ぎ入社日は退職日の翌日〜2週間後が一般的

初めての転職でよくある失敗

  • 軸を決めずに求人を見始め、応募先が定まらない
  • 1社ずつ応募して、内定が出ても比較できず迷う
  • 内定前に退職を伝えてしまい、選考が流れて無職になる
  • 年収だけで決めて、残業や評価制度を確認していない
  • エージェントに言われるまま応募し、自分の意思がなくなる
  • 口コミサイトの評価を鵜呑みにして、良い会社を候補から外す

まとめ:順番を守れば転職は難しくない

転職活動は、軸の整理、情報収集、書類作成、面接、内定・退職の順で進めます。特に最初の「軸の整理」に時間をかけた人ほど、後の工程がスムーズに進み、入社後の満足度も高くなります。今の会社に在籍したまま、まずは自分の希望を言葉にするところから始めてください。

よくある質問

転職活動は在職中と退職後、どちらで始めるべきですか?
原則は在職中です。収入が続くため焦って妥協する必要がなく、「現職がある」こと自体が選考でも安心材料になります。退職後に始めるのは、心身の不調で働き続けるのが難しい場合や、資格取得など明確な理由がある場合に限るのが安全です。
転職活動にはどれくらいの期間がかかりますか?
準備開始から内定まで3〜6か月が一般的です。書類作成に2週間、応募から内定まで1〜2か月、退職交渉と引き継ぎに1〜2か月と見ておくと無理がありません。
何社くらい応募すればいいですか?
同時に5〜10社を目安に進めるのが一般的です。書類通過率は経験にもよりますが3〜5割程度と考え、最終的に2〜3社の内定を比較できる状態を目指します。
転職エージェントは使ったほうがいいですか?
初めての転職や在職中で時間がない人には有効です。書類添削、面接対策、条件交渉を無料で受けられます。ただし担当者との相性があるため、2〜3社に登録して比較することをおすすめします。

この記事を書いた人

キャリアの教科書 編集部

編集部

現役のキャリアアドバイザーと人事経験者で構成。公的統計・一次情報を確認したうえで記事を制作し、公開後も定期的に更新している。

この記事の監修者

林 祐輝

リードキャリア 代表 / キャリアアドバイザー

人材紹介の現場で求職者と企業の双方に向き合い、ホワイト企業に絞った転職支援を行う。SNSでは採用の裏側や企業選びの考え方を発信し、複数アカウントで累計数万人に届ける。