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キャリアの教科書
転職の始め方

転職活動の期間は平均どれくらい?在職中・離職後の目安と長引く原因

公開 更新 読了 約14分
執筆: 林 祐輝

この記事の要点

  • 厚生労働省の転職者実態調査(令和2年)では、転職活動を始めてから前の会社を辞めるまでの期間は「1か月以上3か月未満」が28.8%で最も多い。活動期間があった人に限ると、約6割が3か月未満、約8割が6か月未満に収まっている。
  • 準備から入社までを通して見ると、在職中なら4〜6か月、離職後なら2〜4か月程度を見込んでおくと、予定が崩れても慌てずに済む。
  • 内定から入社までは1〜2か月が目安。民法627条では期間の定めのない雇用は申し出から2週間で終了するが、就業規則と引き継ぎを踏まえて入社日から逆算して伝える。
  • 長引く原因の多くは、応募数の少なさ・1社ずつの直列応募・条件の絞りすぎ・書類の使い回しのいずれか。2週間ごとに数字で振り返ると早く気づける。
目次

転職活動の期間は、公的な調査で見ると「3か月未満」で終わる人が多数派です。厚生労働省の転職者実態調査(令和2年)では、転職活動を始めてから前の会社を辞めるまでの期間は「1か月以上3か月未満」が28.8%で最も多く、活動期間があった人の約8割は6か月未満に収まっています。ただし、これは「活動を始めてから退職まで」の数字で、自己分析などの準備や、退職から入社までの期間は含みません。この記事では、公的データの読み方を押さえたうえで、在職中・離職後それぞれのスケジュールの目安、内定から入社までにかかる期間、長引く原因と短くするコツを、期間という切り口に絞って解説します。

転職活動の期間は平均どれくらいか:公的データで確認する

転職活動の期間を国の統計で確認できるのは、厚生労働省の「転職者実態調査」です。おおむね5年おきに実施されており、直近の令和7(2025)年調査の概況は2026年9月に公表されました。ただし、令和7年調査の概況には転職活動期間の集計結果が掲載されていないため、ここでは期間の内訳が公表されている令和2年調査の数字を使います。

転職活動を始めてから直前の勤め先を離職するまでの期間(転職者計=100%) 出典: 厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」表19
期間割合前回(平成27年)
転職活動期間なし23.6%25.8%
1か月未満18.3%19.1%
1か月以上3か月未満28.8%27.1%
3か月以上6か月未満15.7%15.0%
6か月以上9か月未満5.9%4.6%
9か月以上1年未満2.9%2.7%
1年以上2年未満2.7%2.7%
2年以上1.2%1.5%
不明1.1%1.5%

最も多いのは「1か月以上3か月未満」で、次いで「転職活動期間なし」「1か月未満」と続きます。表の数値から計算すると、活動期間があった人(「なし」と「不明」を除く)のうち、3か月未満が約6割、6か月未満が約8割です。1年以上かかった人は合わせて3.9%で、少数派です。前回の平成27年調査と比べても、分布はほとんど変わっていません。

この数字が測っている範囲に注意表19は「具体的に転職活動を始めてから、前の会社を辞めるまで」の期間です。在職中に活動した期間と読み替えると実態に近くなります。退職してから活動を始めた人は、この期間が短く出ます。また「転職活動期間なし」には、知人の誘いや前の会社の斡旋で移った人が含まれると考えられます。

退職から入社までの「離職期間」は約半数が1か月未満

同じ調査では、前の会社を辞めてから今の会社に入るまでの期間も集計されています。「1か月未満」が27.6%、「離職期間なし」が26.1%で、合わせると半数を超えます。一方で「10か月以上」も5.5%あり、離職後に活動を始めた人の中には長期化する人が一定数いることが分かります。

直前の勤め先を離職してから現在の勤め先に就職するまでの期間(転職者計=100%) 出典: 厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」表20
期間割合
離職期間なし26.1%
1か月未満27.6%
1か月以上2か月未満13.3%
2か月以上4か月未満12.9%
4か月以上6か月未満4.6%
6か月以上8か月未満3.5%
8か月以上10か月未満1.7%
10か月以上5.5%
不明4.8%

2つの表を合わせて読むと、多くの人は在職中に1〜3か月ほど活動し、退職から1か月以内に次の会社に入っている、という姿が見えてきます。準備期間を含めた全体の目安は、次の章で工程ごとに分けて整理します。

準備から入社までの期間:工程ごとの目安

統計の「転職活動期間」は応募や面接などの具体的な活動を指しますが、実際には、その前に考えを整理する期間と、内定後に退職・入社する期間があります。全体を3つの区間に分けて考えると、自分のスケジュールを組み立てやすくなります。各工程で何をするかは転職の始め方で順番に解説しているので、ここでは期間に絞って整理します。

転職活動の区間ごとの期間の目安(在職中に進める場合)
区間主な内容期間の目安
準備転職理由と条件の整理、情報収集、書類の作成2週間〜1か月
応募から内定応募、書類選考、面接(2〜3回)、内定1〜3か月
内定から入社条件確認、内定承諾、退職の申し出、引き継ぎ、有給消化1〜2か月
合計思い立ってから入社まで3〜6か月

公的データの「1か月以上3か月未満」は、このうち「応募から内定」と、退職までの一部に当たります。準備と退職手続きを足すと、全体では3〜6か月がひとつの目安です。在職中の人は平日に使える時間が限られるため、各区間が長めに伸びることを前提に、余裕を持たせておくと予定が崩れにくくなります。

在職中に転職する場合のスケジュール

在職中の活動は、収入が途切れないため条件の合わない内定に飛びつかずに済む一方で、使える時間が限られます。応募書類の作成は週末にまとめて行い、面接は平日の夜や有給休暇を使って調整するのが一般的です。面接日程が詰まりやすいのは応募から1〜2か月目なので、その時期の業務の繁忙を事前に確認しておくと動きやすくなります。

在職中に進める場合のモデルスケジュール(入社まで約5か月)
時期やること期間で気をつける点
1か月目条件の整理、情報収集、職務経歴書の作成、エージェント登録書類は2週間で一度完成させ、応募しながら直す
2か月目10社前後に応募、書類選考、1次面接応募は同時に複数社。1社ずつ待たない
3か月目2次・最終面接、内定面接の候補日は早めに複数出す
4か月目条件確認、内定承諾、退職の申し出入社日から逆算して申し出の日を決める
5か月目引き継ぎ、有給消化、入社最終出社日と退職日を分けて計画する

平日に時間が取れない人の進め方

在職中の活動が長引く一番の理由は、時間が取れずに応募や日程調整が止まることです。求人探しと日程調整を転職エージェントに任せると、自分の作業を書類と面接に集中できます。何社に登録するかは転職エージェントの登録数の目安で整理していますが、多すぎると連絡の管理だけで時間がなくなるため、2〜3社に絞るのが現実的です。

  • 面接に使える曜日・時間帯(平日夜、土曜など)を先に決めている
  • 有給休暇の残日数を確認している
  • 繁忙期と面接が重なりそうな月を把握している
  • オンライン面接の可否を応募先ごとに確認している
  • 現職の就業規則で、退職の申し出の期限を確認している

離職後に転職する場合のスケジュール

先に退職してから活動する場合は、時間を自由に使えるため、応募から内定までは在職中より短くなりやすい傾向があります。体調を崩して働き続けるのが難しい場合や、現職の拘束時間が長すぎて面接に行けない場合は、離職後の活動が現実的な選択になります。一方で、前章のデータのとおり離職期間が10か月以上に延びた人もいます。収入がない期間が長くなると焦りが出て、条件を妥協しやすくなる点には注意が必要です。

離職後に進める場合のモデルスケジュール(入社まで約3か月)
時期やること期間で気をつける点
退職後1〜2週目離職票の受け取り、健康保険・年金の手続き、条件の整理役所やハローワークの手続きを先に済ませる
3〜4週目職務経歴書の作成、応募開始空白期間の説明を準備しておく
2か月目面接、内定平日昼の面接に対応できる強みを活かす
3か月目条件確認、入社日の調整、入社入社日は企業の希望に合わせやすい

雇用保険の基本手当はすぐには出ない

離職後の生活費を雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)で考えている場合は、受け取れるまでの期間を確認しておく必要があります。受給手続きの後に7日間の待期期間があり、正当な理由のない自己都合退職の場合は、さらに給付制限期間がかかります。給付制限期間は、2025年4月1日以降に離職した人は原則1か月に短縮されました。ただし、過去5年間に2回以上、正当な理由なく自己都合で離職して受給資格の決定を受けている場合は3か月になります。個別の扱いは管轄のハローワークで確認してください。

空白期間は面接で必ず聞かれる離職期間が数か月あると、面接では「その間に何をしていたか」を聞かれます。資格の勉強、体調の回復、家族の事情など、事実をそのまま短く説明できれば問題になりません。説明が曖昧なまま期間が延びるほど答えにくくなるため、退職前に活動の計画を立てておくことが大切です。
在職中と離職後の比較(期間の観点)
観点在職中離職後
応募から内定まで日程調整に時間がかかり長めになりやすい時間を使えるため短くなりやすい
収入途切れない途切れる。基本手当は待期と給付制限の後
入社日の調整退職手続きの分だけ先になる企業の希望に合わせやすい
長期化したときの影響現職を続ければよく、焦りにくい空白期間が延び、焦りから妥協しやすい

内定から入社までの期間と、退職の申し出のルール

在職中の転職では、内定が出てから入社するまでに1〜2か月かかるのが一般的です。この区間の長さを決めるのは、退職の申し出から実際に辞められるまでの期間と、引き継ぎ、有給休暇の消化です。企業側も在職者の採用では入社まで一定の期間がかかることを想定していますが、希望する入社日は選考の途中で聞かれることが多いため、先に自分の会社のルールを確認しておく必要があります。

民法627条:期間の定めのない雇用は申し出から2週間で終了する

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。民法第627条第1項

正社員のように雇用期間の定めがない場合、法律上は退職の申し出から2週間で雇用が終了します。会社の承諾は要件になっていません。ただし、多くの会社の就業規則では「退職の1か月前までに申し出る」といった定めが置かれており、引き継ぎや後任の手配を考えると、実務では入社日の1.5〜2か月前に伝えるのが無理のない進め方です。契約社員など期間の定めがある雇用は扱いが異なるため、契約内容を確認してください。

退職の申し出の期限:法律・就業規則・実務の違い
基準内容期間を考えるときの扱い
民法627条1項期間の定めのない雇用は、申し出から2週間で終了最短の目安。これより短くはならない
就業規則「1か月前まで」などと定める会社が多い円満に辞めるなら、この期限を守るのが無難
実務の目安入社日の1.5〜2か月前に申し出る引き継ぎと有給消化の期間を含めて逆算する

入社日から逆算して申し出の日を決める

  1. 入社日を仮に決める内定先と相談し、入社日の候補を決めます。月初や月の半ばなど、企業側の受け入れの区切りがあることも多いので確認します。
  2. 有給休暇の残日数を確認する残っている有給休暇は退職前に消化できます。最終出社日と退職日を分け、消化に必要な日数を入社日から差し引きます。
  3. 引き継ぎに必要な期間を見積もる担当業務の量と後任の有無から、引き継ぎに何週間かかるかを見積もります。ここが最終出社日を決める基準になります。
  4. 就業規則の期限と照らし合わせて申し出る逆算した日が就業規則の申し出期限より前であることを確認し、内定承諾後に直属の上司へ伝えます。伝え方は退職の伝え方とタイミングで詳しく解説しています。
退職の申し出は内定承諾の後に内定が出る前に退職を伝えると、選考が流れたときに戻る場所がなくなります。また、労働条件通知書などで条件を書面で確認する前に辞めてしまうと、条件の食い違いがあっても引き返せません。順番は「内定、条件の確認、承諾、退職の申し出」です。

転職活動が長引く原因

公的データでは1年以上かかった人は少数ですが、半年を過ぎても決まらない場合は、どこかの工程で詰まっています。長引く原因は、おおむね次のどれかに当てはまります。どの工程で止まっているかが分かれば、対処も決まります。

長引く原因と、止まっている工程
原因止まっている工程対処
応募数が少ない応募同時に進める社数を増やし、書類選考の結果を待つ間も応募を続ける
1社ずつ順番に受けている応募から内定複数社を並行させ、内定の時期をそろえる
条件を絞りすぎている求人探し譲れない条件を2つに絞り、ほかは幅を持たせる
書類を使い回している書類選考応募先の求める経験に合わせて職務要約と実績の順番を変える
面接で同じ理由で落ちる面接転職理由と志望動機のつながりを見直す
希望年収が相場と合っていない内定・条件現年収と求人の年収帯を照らし、希望の根拠を用意する
軸が定まらず応募先が決まらない準備転職理由と優先順位を先に言葉にする

書類選考で止まっている場合は職務経歴書の書き方、面接で止まっている場合は転職面接でよく聞かれる質問、条件面で話がまとまらない場合は希望年収の答え方が参考になります。原因が一つとは限らないため、表の上から順に当てはめて確認すると効率的です。

転職活動の期間を短くするコツ

期間を短くするのは、急いで決めることではありません。待ち時間を減らし、詰まっている工程に早く気づくことです。次の5つを意識すると、同じ活動量でも決まるまでの期間が縮みやすくなります。

  1. 最初に期限を決める「いつまでに入社したいか」を先に決め、そこから逆算して応募開始日と退職の申し出の日を置きます。期限がないと、在職中の活動は後回しになりがちです。
  2. 書類は2週間で一度完成させる完璧を目指して書類作成に1か月以上かけるより、まず完成させて応募しながら直すほうが、結果として早く進みます。
  3. 複数社を並行して受ける1社の結果を待ってから次に応募すると、待ち時間がそのまま期間に上乗せされます。並行して受けると、内定の時期がそろい、比較して選べます。
  4. 応募経路を1つに頼らない令和7年の転職者実態調査では、転職活動の方法(複数回答)は「求人サイト・求人情報専門誌等」45.1%、「ハローワーク等の公的機関」29.6%、「縁故」22.2%、「民間の職業紹介機関」20.9%でした。求人サイト、エージェント、企業の採用ページなど、経路ごとの違いを踏まえて2つ以上を組み合わせると、求人の母数が増えます。
  5. 2週間ごとに数字で振り返る応募数、書類通過数、面接数を2週間ごとに書き出します。応募が少ないのか、書類で落ちているのか、面接で落ちているのかが分かれば、直すべき工程が一つに絞れます。

20代で初めての転職の場合は、応募書類や面接の準備に想定以上の時間がかかることがあります。20代向けのエージェント比較も合わせて確認し、準備の段階から第三者の意見を入れると、やり直しの時間を減らせます。

まとめ:3〜6か月を目安に、入社日から逆算する

厚生労働省の転職者実態調査では、転職活動を始めてから前の会社を辞めるまでの期間は「1か月以上3か月未満」が最も多く、活動期間があった人の約8割は6か月未満に収まっています。準備と退職手続きを含めると、在職中なら3〜6か月、離職後なら2〜4か月程度が全体の目安です。内定から入社までは、民法627条の2週間ではなく、就業規則と引き継ぎを踏まえて1〜2か月を見込みます。期限を先に決め、複数社を並行させ、2週間ごとに数字で振り返る。この3つを押さえると、活動が必要以上に長引くことを防げます。

よくある質問

転職活動の期間は平均どれくらいですか。
厚生労働省の令和2年転職者実態調査では、転職活動を始めてから前の会社を辞めるまでの期間は「1か月以上3か月未満」が28.8%で最も多くなっています。活動期間があった人に限ると、約6割が3か月未満、約8割が6か月未満です。準備と退職手続きを含めると、全体では3〜6か月を見込んでおくと無理がありません。
在職中と離職後では、どちらが早く決まりますか。
応募から内定までは、時間を自由に使える離職後のほうが短くなりやすい傾向があります。ただし離職後は収入が途切れ、空白期間が延びるほど焦りから条件を妥協しやすくなります。体調などの事情がなければ、在職中に進めるほうが安全です。
内定から入社までは、どれくらい待ってもらえますか。
在職中の転職では1〜2か月が一般的で、企業側もある程度の期間を想定しています。ただし募集の事情によって希望する入社時期は異なるため、選考の途中で入社可能時期を聞かれたときに、就業規則と引き継ぎ期間から逆算した日を答えられるようにしておきます。
退職は2週間前に伝えれば辞められますか。
民法627条1項により、期間の定めのない雇用は申し出から2週間で終了します。ただし多くの会社の就業規則には「1か月前まで」などの定めがあり、引き継ぎを考えると入社日の1.5〜2か月前に伝えるのが現実的です。契約社員など期間の定めがある場合は扱いが異なります。
転職活動が半年以上続いています。何を見直せばいいですか。
まず、応募数・書類通過数・面接数を書き出し、どの工程で止まっているかを確認してください。応募が少なければ社数と経路を増やし、書類で落ちていれば職務経歴書を、面接で落ちていれば転職理由と志望動機のつながりを見直します。原因の工程が分かれば、見直す範囲を絞れます。
退職後すぐに失業手当はもらえますか。
すぐには受け取れません。受給手続きの後に7日間の待期期間があり、正当な理由のない自己都合退職の場合は、2025年4月1日以降の離職であれば原則1か月の給付制限期間があります。過去5年間の離職の状況によっては3か月になるため、管轄のハローワークで確認してください。

この記事を書いた人

林 祐輝

リードキャリア キャリアアドバイザー

人材紹介の現場で求職者と企業の双方に向き合い、ホワイト企業に絞った転職支援を行う。SNSでは採用の裏側や企業選びの考え方を発信し、複数アカウントで累計数万人に届ける。

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