転職エージェントとLINEでやり取りするコツ|例文・注意点・退会まで

この記事の要点
- LINEは連絡手段のひとつにすぎず、使い方の基本はメールと同じ。返事が早く、在職中でもすき間時間でやり取りできるのが利点で、埋もれやすさと記録の残しにくさが弱点。
- 職業紹介事業者は、業務の目的に必要な範囲で目的を示して個人情報を集める義務がある(職業安定法第5条の5)。本籍・出生地、思想信条、労働組合への加入状況などは、原則として集めてはならない情報とされている。
- 返信は当日中が目安。面接日程・内定の回答など期限のある連絡だけは数時間以内に返し、連絡してよい時間帯は最初に伝えておく。
- ブロックは退会ではない。やめるときは「退会したい」と文字で伝え、登録情報の削除も希望するなら書き添える。
目次
結論から書きます。転職エージェントとLINEでやり取りすること自体に問題はありません。返事が早く、仕事の合間にも確認できるので、在職中の転職活動とは相性のよい連絡手段です。気をつけるのは3点だけです。送る情報を必要な範囲にとどめること、期限のある連絡だけは早めに返すこと、やめるときはブロックではなく文字で伝えることです。この記事では、LINEで求職者とやり取りしているアドバイザーの立場から、法律で決まっている個人情報の扱い、返信の目安と例文、通知・ブロック・退会の扱い、LINE相談から面談予約までの流れをまとめます。
転職エージェントとLINEでやり取りするとはどういうことか
最近は、登録後の連絡をLINEで行う転職エージェントが増えています。登録フォームの最後にLINEの友だち追加を案内される形や、最初からLINEで相談を受け付けて、そこから面談に進む形があります。いずれの場合も、LINEはあくまで連絡手段のひとつです。サービスの中身や転職エージェントの仕組みが変わるわけではありません。
やり取りの相手には大きく2つの形があります。会社として運用している公式アカウントと、担当者個人の業務用アカウントです。どちらでも普段の連絡には困りませんが、誰がそのトークを見られるのかは違ってきます。公式アカウントは複数の社員が同じトークを見て対応することがあり、担当者が休みの日でも返事が来やすい反面、担当者以外の目にも触れます。
| 相手 | よくある使われ方 | 確認しておきたいこと |
|---|---|---|
| 会社の公式アカウント | 登録直後の案内、面談予約、求人の送付 | 担当者が誰か、トークを見る人の範囲 |
| 担当者の業務用アカウント | 面談後の個別のやり取り、日程調整 | 担当変更や退職時に連絡先がどうなるか |
| 担当者の私用アカウント | 業務として使われることは多くない | 会社の連絡手段として認められているか |
LINEでやり取りするメリットと注意点
LINEの強みは、返事の速さと気軽さです。メールを開くほどではない短い確認、たとえば「明日の面接は何時からでしたか」といった質問をすぐに送れます。担当者の側から見ても、既読がつくことで伝わったかどうかが分かるため、日程調整が早く進みます。
一方で、LINEは私的なやり取りと同じ画面に並びます。友人や家族とのトークに埋もれて大事な連絡を見落とす、気軽さから深夜に送ってしまう、トークが流れて過去の条件を探しにくい、といったことが起きやすい手段でもあります。
| 観点 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 返事の速さ | 数分で日程が決まることもある | 期限のある連絡は既読と返信の両方を確認する |
| 在職中の使いやすさ | 昼休みや移動中に短く返せる | 職場の端末やPC版LINEの画面に注意する |
| 気軽さ | 細かい疑問をその場で聞ける | 条件交渉などの大事な話は電話や面談で補う |
| 記録 | やり取りが時系列で残る | トーク削除や機種変更で消えることがある |
| 書類の送付 | PDFや画像をすぐ送れる | 送る情報は必要な範囲にとどめる |
記録については特に注意が必要です。求人の条件や面接の日時など、あとで見返したい情報は、トークのノート機能やスクリーンショット、メモアプリなどに残しておくと安心です。紹介を受けた求人の労働条件は、LINEの本文で細切れに受け取るより、ファイルで受け取って保存しておくほうが確実です。
個人情報の扱い:職業安定法第5条の5と送ってよい情報
LINEで書類や個人情報を送るときに知っておきたいのが、職業紹介事業者に課されている個人情報のルールです。職業安定法第5条の5では、職業紹介事業者などは、求職者の個人情報を集め、保管し、使うにあたって、業務の目的の達成に必要な範囲内で、その目的を明らかにして集めなければならず、集めた目的の範囲内で保管・使用しなければならないと定められています。本人の同意がある場合など、正当な事由がある場合は例外です。同じ条文の第2項で、個人情報を適正に管理するために必要な措置を取る義務も課されています。
さらに、厚生労働省の指針(平成11年労働省告示第141号)では、職業紹介事業者などが原則として集めてはならない個人情報が挙げられています。人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項、思想及び信条、労働組合への加入状況の3つです。特別な職業上の必要性があり、目的を示して本人から集める場合は例外とされています。また、個人情報は本人から直接集めるなど、適法かつ公正な手段で集めることとされています。
| 規定 | 内容 | LINEでのやり取りでの意味 |
|---|---|---|
| 第5条の5第1項 | 個人情報は業務の目的に必要な範囲で、目的を明らかにして集め、その範囲で保管・使用する | 何のために必要かを聞いてよい。目的が不明な情報は送らなくてよい |
| 第5条の5第2項 | 個人情報を適正に管理するための措置を講じる | 送った書類の扱いを確認してよい |
| 指針 第5の1(2) | 本籍・出生地など差別の原因となるおそれのある事項、思想信条、労働組合への加入状況は原則として集めない | こうした質問には答えなくてよい |
| 第32条の3第2項 | 有料職業紹介事業者は原則として求職者から手数料を取ってはならない | LINEで支払いを求められたら利用をやめる |
| 第51条 | 業務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らしてはならない | 応募先以外に経歴が渡ることはない前提で使える |
紹介会社の法的な位置づけについては、非公開求人の記事でも、求人の受理や労働条件の明示の面から整理しています。あわせて読むと、エージェントが何をしてよく、何をしてはいけないのかが見えやすくなります。
LINEで送ってよい書類と、避けたい情報
実際のやり取りで迷いやすいのは、どこまで送ってよいかという点です。目安は、応募や面談の準備に使う情報は送ってよく、それ以外は目的を確認してから判断する、という考え方です。
| 区分 | 情報の例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 送ってよい | 履歴書、職務経歴書、希望条件、面接の候補日、転職理由のメモ | 応募と面談の準備に使う情報。PDFで送ると崩れにくい |
| 目的を聞いてから | 現在の年収が分かる書類、資格の合格証の画像、顔写真のデータ | 必要になる場面はあるが、使い道を確認してから送る |
| 送らない | マイナンバー、銀行口座、各種サービスのパスワード、本籍や出生地、支持政党や信仰、労働組合への加入状況 | 職業紹介の段階で必要になる場面はない。求められたら理由を聞く |
| 送らない方がよい | 現職の社内資料、取引先の名前が入った資料、顧客情報 | 現職の守秘義務に触れるおそれがある |
- 相手が会社の公式アカウントか、担当者のアカウントかを確認した
- エージェントの会社名と職業紹介事業の許可番号を、公式サイトか厚生労働省の人材サービス総合サイトで確認した
- 送る書類はPDFにし、ファイル名に氏名と書類名を入れた
- 目的の分からない情報を求められたら、使い道を聞いてから送るようにしている
- 登録料や紹介料などの支払いを求められたら、利用をやめると決めている
労働条件はLINEで受け取れるか
内定後に受け取る労働条件の通知については、2019年4月から、労働者が希望した場合はFAXや電子メール、LINEなどのSNSのメッセージ機能でも明示できるようになりました。厚生労働省の案内では、出力して書面を作成できるものに限られること、印刷や保存がしやすいよう添付ファイルで送ることが望ましいとされています。SNSには保存期間が限られるサービスもあるため、受け取ったファイルは自分の端末やクラウドに保存しておくと安心です。
返信の頻度と目安:在職中に連絡を取るコツ
LINEは返事が早いぶん、すぐ返さないといけないと感じる方が多いようです。実際には、すべての連絡に即答する必要はありません。担当者が困るのは返事が遅いことより、返事がないまま予定が止まることです。連絡の種類ごとに目安を決めておくと、気持ちの負担が減ります。
| 連絡の種類 | 返信の目安 | ひとこと |
|---|---|---|
| 求人の紹介 | 1〜2日以内 | 応募するか、見送るか、検討中かだけでも返す |
| 面接の日程調整 | 当日中、できれば数時間以内 | 候補日は企業側も押さえているため早いほど通りやすい |
| 書類の修正依頼 | 期限を確認し、その前日まで | 期限が書かれていなければいつまでかを聞く |
| 面接後の感想の確認 | 当日中 | 記憶が新しいうちに伝えると企業への連絡に生かせる |
| 内定の連絡・回答期限 | 当日中に受け取りの返事 | 回答そのものは期限内でよいが、受け取ったことはすぐ返す |
すぐに判断できない連絡には、「確認しました。〇日までにお返事します」とだけ返しておくのが有効です。担当者は返事の時期が分かれば、企業側への説明ができます。既読をつけたまま何日も返さないと、担当者はほかの方の予定を優先せざるを得なくなります。
在職中にLINEでやり取りするコツ
- 連絡してよい時間帯を最初に伝える。たとえば「平日は12時〜13時と19時以降、土日は終日」のように具体的に書く
- 電話がつながりにくいことも伝えておく。急ぎの用件は、まずLINEで送ってもらうよう頼んでおく
- 職場のPCにLINEを入れている場合は、転職のトークが画面に出ないよう通知の表示設定を見直す
- トークの名前は会社名や担当者名のままにしておき、他の連絡と取り違えないようにする
- 面接の候補日は、2週間先までの空き時間をまとめて送る。往復の回数が減り、日程が早く決まる
在職中の転職活動では、面接の時間を確保するのが一番の難所です。有給休暇や時間休を使う予定があるなら、取りやすい曜日も担当者に伝えておくと、企業側との調整がしやすくなります。退職の話を現職にするタイミングについては、退職の伝え方とタイミングにまとめています。
そのまま使えるLINE例文
LINEだからといって、くだけすぎる必要も、メールのように堅くする必要もありません。用件、期限、こちらの希望の3つが入っていれば十分です。場面ごとの例文をまとめました。求人や面接、内定を断るときの例文は、転職エージェントの断り方で場面別に紹介しています。
最初のあいさつと連絡時間の希望
はじめまして、〇〇と申します。登録のご案内ありがとうございます。現在在職中のため、平日は12時〜13時と19時以降、土日は終日であれば返信しやすいです。お電話は平日の日中は出られないことが多いため、まずはこちらのLINEでご連絡いただけると助かります。どうぞよろしくお願いします。例文:最初のあいさつ(LINE)
紹介された求人の返事を保留したいとき
求人のご紹介ありがとうございます。2件とも拝見しました。〇〇株式会社のほうは仕事内容に興味がありますが、勤務地について家族と相談したいため、〇日(〇)までにお返事させてください。例文:返事を保留する(LINE)
面接の候補日を送るとき
日程のご連絡ありがとうございます。面接の候補日をお送りします。〇月〇日(〇)18時以降、〇月〇日(〇)終日、〇月〇日(〇)12時〜13時。オンラインでの実施が可能であれば、そちらを希望します。例文:面接の候補日を送る(LINE)
書類を送るとき
職務経歴書を修正しましたので、PDFでお送りします。ご指摘いただいた〇〇の実績の部分を書き足しました。ほかに直したほうがよい点があれば教えてください。例文:書類を送る(LINE)
返信が遅れてしまったとき
ご連絡が遅くなり申し訳ありません。業務が立て込んでおり、確認が遅れました。ご紹介いただいた件は、応募をお願いしたいです。期限を過ぎてしまっていたら、その旨を教えてください。例文:返信が遅れたとき(LINE)
必要な理由が分からない情報を求められたとき
ご連絡ありがとうございます。〇〇の提出について、どの選考のために、どのように使われるのかを教えていただけますか。確認できましたらお送りします。例文:情報の使い道を確認する(LINE)
LINE相談から面談予約までの流れ
LINEで相談を受け付けているエージェントでは、友だち追加から面談までがLINEの中で進むことが多くあります。たとえばリードキャリアも、LINEで相談を受け付け、そこで面談の日程を決める形を取っています。会社によって細かな手順は違いますが、おおむね次のような流れです。
- 友だち追加と最初のメッセージ公式サイトや広告から友だち追加すると、あいさつと案内が自動で届きます。この段階では、会社名と許可番号が公式サイトに載っているかを確認しておきます。
- 簡単な質問やフォームへの回答年齢、現在の職種、希望の時期などを、選択式の質問やフォームで答えます。答えにくい項目があれば、空欄のまま面談で話すと伝えても問題ありません。
- 面談の日程を決める候補日の一覧から選ぶ形や、担当者と日程をやり取りする形があります。オンラインか電話か対面かも、ここで確認します。
- 面談前の準備前日までにリマインドが届くことがあります。経歴を話せるよう、職務経歴書か経歴のメモを手元に用意しておきます。
- 面談と、その後の求人紹介面談で希望や経歴を伝えたあと、求人の紹介や書類の添削がLINEで届くようになります。返信の目安は前の章のとおりです。
面談で聞かれることや準備しておくものは、初回面談で聞かれること12項目で詳しく扱っています。LINE相談型のエージェントだけで不安な場合は、総合型を1社組み合わせると求人の幅を確かめやすくなります。登録先の数の考え方は転職エージェントは何社登録すべきかを参考にしてください。
通知・ブロック・退会の扱い
LINEでのやり取りでよく聞かれるのが、通知が多すぎるときの対処と、やめたいときにブロックしてよいかという点です。それぞれの操作で何が起きて、何が起きないのかを整理しておきます。
| 操作 | 起きること | 起きないこと |
|---|---|---|
| 通知をオフにする | そのトークの通知が鳴らなくなる | メッセージは届き続ける。担当者には伝わらない |
| トークを非表示・削除 | 自分の画面から見えなくなる | やり取りの記録は相手側に残る |
| ブロックする | 相手からのメッセージが届かなくなる | 登録情報は削除されない。選考中の企業への連絡も止まらない |
| 退会を伝える | サービスの利用が終わる | 登録情報の削除は、別に依頼しないと行われないことがある |
通知が多いときは、ブロックより先に頻度を相談する
公式アカウントからの一斉配信や、求人の紹介が多すぎると感じたら、まずは「求人のご紹介は週1回程度にまとめていただけますか」と伝えてみてください。配信の停止や頻度の調整に応じてもらえることが多く、必要な連絡だけが届くようになります。そのうえで、急ぎでないトークは通知をオフにしておけば、仕事中に気が散ることも減ります。
やめるときはブロックではなく、文字で伝える
ブロックすると相手からのメッセージは届かなくなりますが、退会の手続きをしたことにはなりません。選考中の企業がある場合、担当者は連絡がつかないまま企業への返事ができなくなり、面接の無断欠席と同じ扱いになってしまうこともあります。やめるときは、選考中の求人がないかを確認したうえで、次のように文字で伝えてください。
お世話になっております。転職活動を一度やめることにしたため、サービスの退会をお願いします。あわせて、登録している個人情報の削除もお願いできますか。対応が完了しましたら、ご連絡いただけると助かります。例文:退会と情報削除を依頼する(LINE)
退会の手順や、引き止められたときの返し方は転職エージェントの断り方に、複数社を使っている場合の減らし方は何社登録すべきかの記事にまとめています。退会を伝えたあとであれば、ブロックやトークの削除をしても問題ありません。
こんなときはどうするか:LINEでよくある困りごと
最後に、LINEでのやり取りで起きやすい困りごとと、その対処をまとめます。どれも、担当者に一言伝えれば解決することがほとんどです。
| 困りごと | 対処 |
|---|---|
| 深夜や早朝にメッセージが届く | 連絡してよい時間帯を改めて伝える。予約送信を使ってもらえることもある |
| 返事を急かされる | いつまでに返すかを自分から伝える。急ぐ理由を聞いてもよい |
| 担当者からの返事が来ない | 2営業日待っても来なければ、メールや電話でも問い合わせる |
| 機種変更でトークが消えた | 担当者に重要な条件や日程をあらためて送ってもらう |
| 家族に転職活動を知られたくない | 通知の表示内容をオフにするか、メールでのやり取りに切り替える |
| 担当者と合わない | 担当変更を依頼するか、タイプの違うエージェントに切り替える |
エージェント選びの段階で迷っている場合は、目的別ランキングの評価基準も参考になります。連絡手段の相性も含めて、自分が続けやすいところを選ぶのが、転職活動を最後まで進めるいちばんの近道です。
まとめ:LINEは早く、短く、必要な範囲で
転職エージェントとのLINEは、使い方さえ押さえれば在職中の転職活動を楽にしてくれる手段です。送る情報は応募と面談に必要な範囲にとどめ、目的の分からない情報は使い道を聞く。返信は当日中を目安にし、期限のある連絡だけは早めに返す。やめるときはブロックではなく、文字で退会と情報の削除を伝える。この3つを守っていれば、LINEでのやり取りで困ることはほとんどありません。
よくある質問
転職エージェントとLINEでやり取りしても大丈夫ですか。
LINEの返信はどのくらいの早さで返せばいいですか。
履歴書や職務経歴書をLINEで送っても問題ありませんか。
転職エージェントのLINEをブロックしたら、相手に分かりますか。
LINEではなくメールでやり取りしたい場合はどうすればいいですか。
労働条件の通知をLINEで受け取っても有効ですか。
この記事を書いた人
リードキャリア キャリアアドバイザー
人材紹介の現場で求職者と企業の双方に向き合い、ホワイト企業に絞った転職支援を行う。SNSでは採用の裏側や企業選びの考え方を発信し、複数アカウントで累計数万人に届ける。


