ダイキン工業への転職は難しい?中途採用の職種と平均年収896万円

この記事の要点
- 2026年3月期の有価証券報告書では、平均年間給与は約896万円、平均勤続年数16.6年、平均年齢41.2歳(単体従業員8,212人)。給与は前期から4.9%増
- キャリア採用は毎年続いており、2025年度は118人。正規雇用の採用に占めるキャリア採用の比率は20.81%、全社員に占めるキャリア入社社員は17.44%
- 2026年10月20日時点で公式キャリア採用サイトに212件の求人。事務・管理部門、研究開発、ICT・DX人材、機械系の順に多い
- 選考は書類選考→一次面談→適性テスト→二次面談(最終)。公式に「学歴・年齢・性別などは関係ない」とあり、難易度は求人ごとの必須経験で決まる
目次
ダイキン工業への転職は、難しいかどうかが応募する求人の必須経験でほぼ決まる会社です。キャリア採用は毎年続いており、2025年度は118人が入社しました。公式の採用ページには「学歴・年齢・性別などは関係ありません」と明記され、空調の仕事を前職で経験していない入社者がほとんどだとも書かれています。給与面では、2026年3月期の平均年間給与が約896万円、平均勤続年数16.6年。この記事では、有価証券報告書と公式キャリア採用サイトで確認できる範囲だけで、年収・勤続年数・募集職種・選考の実態を整理します。
ダイキン工業の基本データ(2026年3月期・有価証券報告書ベース)
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期(参考) |
|---|---|---|
| 平均年間給与 | 8,964,767円 | 8,547,704円 |
| 平均勤続年数 | 16.6年 | 16.5年 |
| 平均年齢 | 41.2歳 | 41.0歳 |
| 従業員数(単体) | 8,212人 | 7,866人 |
| 連結従業員数 | 104,095人 | 103,544人 |
| 本社 | 大阪市北区(大阪梅田ツインタワーズ・サウス) | 同左 |
単体の従業員8,212人に対し、連結では10万人を超えます。有価証券報告書には海外売上高比率が8割を超えると記載されており、売上の大半は海外です。転職先として見る場合、「大阪に本社がある空調メーカー」というより、「世界で事業を展開するグループの日本本体」に入ると考えたほうが実態に近くなります。
年収の実態:平均896万円と、求人票に出ている給料例
平均年間給与約896万円は、賞与と基準外賃金(残業代など)を含む、2025年4月〜2026年3月の実績です。前期の約855万円から4.9%増えています。平均年齢41.2歳の全従業員平均なので、入社時の年収がこの水準になるわけではありません。
公式キャリア採用サイトの求人一覧では、多くの求人に「年俸500万円〜900万円 ※27歳〜45歳(一般)給料例」と表示されています。一部の求人票では、給料例として「35歳(一般)約774万円(裁量労働手当月6万円を含む)、月給約38万5千円・賞与約240万円/年」が示されています。いずれも給料例で、実際の提示額は経験や担当業務で変わります。
| 項目 | 求人票の記載 |
|---|---|
| 給料例(求人一覧) | 年俸500万〜900万円(27〜45歳・一般) |
| 給料例(一部の求人票) | 35歳(一般)約774万円。月給約38万5千円・賞与約240万円/年 |
| 昇給 | 年1回(4月) |
| 賞与 | 年2回(6月・12月) |
| 諸手当 | 通勤手当、時間外手当など |
賃金制度にも特徴があります。有価証券報告書によると、ダイキン工業は2001年に年齢給・勤続給といった一律の賃金項目を廃止しています。さらに2024年4月には定年を60歳から65歳へ延長し、あわせて年齢要素をさらに小さくする方向で人事・処遇制度を見直しています。年齢や社歴で給与が決まる度合いが小さいため、中途入社でも担当する仕事と成果で処遇が決まりやすい仕組みです。
中途採用(キャリア採用)は毎年どのくらいあるか
ダイキン工業は、公式採用サイトでキャリア採用の人数と比率を年度ごとに開示しています。2023年度は170人と多く、それ以外の年も88〜118人のキャリア採用が続いています。新卒(定期採用)が増えているため比率は2割前後に落ち着いていますが、人数そのものは毎年100人前後の水準です。
| 年度 | キャリア採用者数 | 定期採用者数 | 正規雇用採用者数 | キャリア採用比率 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年度 | 88人 | 295人 | 383人 | 23% |
| 2023年度 | 170人 | 303人 | 473人 | 36% |
| 2024年度 | 112人 | 414人 | 526人 | 21% |
| 2025年度 | 118人 | 449人 | 567人 | 20.81% |
入社後の扱いを見るうえでは、次の数字も参考になります。2025年度時点で、キャリア入社社員のうち基幹職(管理職層)は394人。基幹職全体に占めるキャリア入社社員の比率は27.63%で、全社員に占める比率(17.44%)より高くなっています。また、キャリア入社社員の海外出向者は140人です。中途入社だから管理職や海外勤務の道が閉ざされる、という会社ではないことが数字から分かります。
- 全社員に占めるキャリア入社社員比率: 17.44%
- キャリア入社社員の基幹職数: 394人
- 基幹職に占めるキャリア入社社員比率: 27.63%
- キャリア入社社員に占める基幹職比率: 23.92%
- キャリア入社社員の海外出向者数: 140人
有価証券報告書の研修実績にも、キャリア入社者の扱いが表れています。新入社員向けの5泊6日の合宿研修はキャリア採用者も対象で、2025年度は新卒441人とキャリア採用者87人の計528人が参加しています。新任の管理職研修も、管理職として入社したキャリア採用者を含めて実施されています。
キャリア採用で募集している職種と勤務地
公式のキャリア採用サイトには、2026年10月20日時点で212件の求人が掲載されています。職種は9つの区分で探せるようになっており、件数は次のとおりです。1つの求人が複数の区分に入っているため、合計は212件を超えます。
| 職種区分 | 掲載件数 | 求人名の例 |
|---|---|---|
| 事務・管理部門 | 65件 | M&A・ポートフォリオ戦略、法務(国内・海外)、事業管理(FP&A)、経営戦略リサーチ |
| 研究開発 | 47件 | マルチモーダルAIの開発、エネルギーマネジメントアルゴリズム開発、空調用カスタムマイコン設計開発 |
| ICT・DX人材 | 42件 | DX企画推進(全社データ活用・AI活用)、ITインフラ戦略企画、業務支援システムエンジニア |
| 機械系 | 39件 | 圧縮機の製品設計・要素技術開発、データセンター向け冷却機器の設計開発、送風機開発 |
| 建築設備・計装 | 34件 | グローバル生産拠点の建設PM、住宅設備の設計・施工支援、化学プラントの電気計装設計・保全(鹿島) |
| 生産技術 | 27件 | 生産設備開発、熱交換器の工法技術開発、圧縮機ラインエンジニアリング、工場DX技術開発 |
| 電気系 | 17件 | 空調機用インバータ・基板の開発、モータドライブシステムの制御開発、パワーモジュール設計 |
| 化学 | 16件 | エッチャントや樹脂のアカウンティング営業、フッ素樹脂の研究開発、化学プロセスの設計 |
| 品質管理 | 3件 | 低温製品の品質保証、品質保証システム(ISO13485、IATF16949)管理 |
求人名を見ると、空調機そのものの設計・開発だけでなく、DX・データ活用、経営戦略、M&A、法務、経済安全保障といった本社機能の募集が多いことが分かります。有価証券報告書でも、グローバルグループで「デジタル人材 約3,500人」を2030年度までの目標に掲げ、社内育成とあわせて社外からの採用を進めると書かれています。ICT・DX人材の求人が多いのは、この方針と一致しています。
勤務地は大阪が中心
キャリア採用サイトで選べる勤務地は、大阪の本社・江坂ビル・テクノロジー・イノベーションセンター・淀川製作所・堺製作所(金岡工場・臨海工場)、滋賀製作所、東京支社、茨城の鹿島製作所と、その他の拠点です。求人の多くは大阪の拠点で、東京支社の求人は全体の一部にとどまります。
選考の流れ:書類選考から内定まで
公式のキャリア採用ページでは、選考ステップが次のように示されています。面談は合計で2〜3回程度、その間に適性テストが入る流れです。
- 書類選考履歴書と職務経歴書で選考します。公式ページでは、重視するのは培ってきたキャリアが応募職種にマッチするかどうかで、学歴・年齢・性別などは関係ないと明記されています。
- 一次面談書類選考の合格者に日程が案内されます。個人面談を1〜2回行う予定とされ、当日は履歴書と職務経歴書を持参します。
- 適性テスト一次面談に合格した場合、二次面談までに受験します。採用FAQでは、適性検査(SPI)は日本語で受験すると案内されています。
- 二次面談(最終)部門の責任者と人事部長による面談で、これが最終面談です。
- 内定・入社公式ページでは、採用決定後に業務内容について特に準備することはなく、業務知識は入社後に学べると案内されています。
応募は、キャリア採用サイトの各求人の「応募する」ボタンから行います。求人票には、応募の受付は株式会社タイズを通して行い、エントリー後の流れはタイズからメールまたは電話で連絡すると書かれています。応募後に届く連絡がダイキン工業の名前ではない場合でも、この案内どおりの流れです。
採用FAQでは、就業経験がある人は新卒採用の対象外で、キャリア採用での応募になるとされています。また、選考は原則として日本語で行われ、面談はオンラインでの対応も可能と案内されています。
中途採用の難易度は「求人ごとの必須経験」で決まる
ダイキン工業の中途採用が難しいかどうかは、会社全体ではなく、応募する求人の必須条件を満たしているかでほぼ決まります。求人票には「経験分野・年数」が【必須】と【尚可】に分けて書かれています。たとえば半導体向けエッチャントのアカウンティング営業では、半導体材料メーカー・半導体関連商社・半導体メーカー・半導体製造装置メーカーのいずれかでの営業・マーケティング経験が必須で、英語力(目安TOEIC550点以上)と化学系の知識は尚可とされています。
| 職種の系統 | 他業界からの転職しやすさ | 求人票から読み取れること |
|---|---|---|
| 事務・管理部門(法務・経理・戦略) | 他業界の経験が活きる | 業界は問わず、M&A・法務・FP&Aなど職能の実務経験が問われる求人が多い |
| ICT・DX人材 | 他業界の経験が活きる | システム企画・データ活用・AI活用など。IT企業やSIerでの経験が対象になりやすい |
| 機械系・電気系・生産技術 | 近い分野の経験が必要 | 空調の経験は必須でなくても、機械設計・回路設計・生産設備など技術の土台は必要 |
| 研究開発・化学 | 専門経験が必要 | AI・パワーエレクトロニクス・フッ素樹脂など、専門分野の開発経験を前提にした求人が多い |
| 化学製品の営業 | 業界経験が必要な求人が多い | 半導体など、顧客業界での営業経験を必須にしている求人がある |
裏を返せば、必須経験を満たしていれば「空調メーカーで働いたことがない」ことは不利になりにくいということです。公式ページでも、空調技術職のキャリア入社者のほとんどは前職で空調を経験していないと書かれています。業界経験より、職種としての実務経験を職務経歴書でどう示すかが勝負になります。
書類では、応募職種の必須経験に当てはまる仕事を冒頭の職務要約で示し、担当した規模や成果を数字で書くことが基本です。書き方は職務経歴書の書き方、面談の準備は転職面接でよく聞かれる質問20選が参考になります。
- 応募する求人の【必須】の経験分野・年数を、職務経歴書のどこで示すか決めている
- 【尚可】の英語力(TOEICの目安など)について、自分の現状を説明できる
- 空調業界の経験がなくても、自分の職種経験がどう活きるかを一言で言える
- SPIなど適性テストの対策時間を、一次面談と二次面談の間に確保している
- 最終面談に部門責任者と人事部長が出ることを前提に、入社後にやりたい仕事を具体的に話せる
働き方と制度:公式に開示されている範囲
平均勤続年数16.6年は、製造業の大手として長い部類です。ここでは、求人票と有価証券報告書で公式に確認できる制度だけを整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 勤務時間 | 標準労働時間7時間45分。本社・支社9:00〜17:30、製作所8:30〜17:00。フレックスタイム制・裁量労働制あり |
| 休日休暇 | 完全週休2日制、年間休日124日、年次有給22日(初年度14日)、5連休制度 |
| 福利厚生 | 独身寮・社宅、保養所、カフェテリアプラン、退職年金、住宅融資、財形貯蓄、持株制度など(適用条件あり) |
| 定年・再雇用 | 2024年4月に定年を65歳へ延長。希望すれば70歳まで働ける再雇用制度 |
| 男性の育児休業取得率 | 98.1%(2026年3月期・単体) |
| 管理職に占める女性の割合 | 9.3%(2026年3月期・単体) |
有価証券報告書では、従業員向けの調査で「この会社で働くことを誇りに思う」「自分の業務にやりがいを感じている」に8割以上がポジティブに回答したことも開示されています(2025年度、対象者の90%以上が回答)。一方で、女性管理職の比率は9.3%で、会社自身も女性総合職の少なさを課題として挙げています。
応募前の注意点と、向いている人・向いていない人
- 応募先がダイキン工業本体か、国内グループ会社かを確認する。グループ会社の採用は別の窓口で、給与水準や制度も会社ごとに違う
- 平均896万円は平均年齢41.2歳の全体平均。求人票の給料例(年俸500万〜900万円、27〜45歳・一般)と比べて判断する
- 勤務地は大阪が中心で、変更の範囲は国内外の全拠点。将来の異動や海外出向の可能性を想定しておく
- 求人は都度入れ替わり、情報更新日も求人ごとに違う。気になる求人は掲載中に応募する
- 応募はタイズ経由で受け付けられる。転職エージェント経由と直接応募で、同じ求人に二重応募しない
同じように有価証券報告書と公式採用ページでメーカーを比べたい場合は、信越化学工業への転職や東京エレクトロンへの転職も参考になります。給与水準・勤続年数・勤務地の傾向がそれぞれ違うので、並べると判断しやすくなります。
ダイキン工業への転職が向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| DX・法務・経理・戦略など、職種としての実務経験を積んできた人 | 求人票の必須経験をまだ満たしていない人 |
| 年齢や社歴より、担当する仕事で処遇が決まる環境を求める人 | 勤務地を首都圏に固定したい人 |
| 海外出向やグローバル案件に関わる可能性を前向きに考えられる人 | 国内だけで完結する仕事を続けたい人 |
| 1社で長く働き、65歳以降も働ける制度を重視する人 | 短期間で転職を重ねて年収を上げていきたい人 |
ダイキン工業は直接応募ができる会社ですが、求人数が200件を超えるため、自分の経験に合う求人を選び切れないこともあります。年収水準の高い求人を扱う転職エージェントはハイクラス向けランキングで比較しています。使い方の基本は転職エージェントの使い方にまとめています。
よくある質問
ダイキン工業は中途採用をしていますか?
ダイキン工業の中途採用の難易度は高いですか?
ダイキン工業の平均年収はいくらですか?
ダイキン工業の中途採用の選考は何回ありますか?
空調業界の経験がなくても転職できますか?
ダイキン工業の勤務地はどこですか?転勤はありますか?
この記事を書いた人
リードキャリア キャリアアドバイザー
人材紹介の現場で求職者と企業の双方に向き合い、ホワイト企業に絞った転職支援を行う。SNSでは採用の裏側や企業選びの考え方を発信し、複数アカウントで累計数万人に届ける。


