書類選考の通過率と落ちる理由|通らない時の直し方と応募数

この記事の要点
- 書類選考の通過率に公的な統計はない。ネット上の「平均〇割」より、自分の応募数と通過数を記録して原因を絞るほうが役に立つ
- 落ちる理由は「書類の中身」より先に「応募先の選び方」にあることが多い。必須要件を満たしていない応募は、書類をいくら直しても通らない
- 直す順番は、応募先の見直し→職務経歴書の冒頭(職務要約)→履歴書の希望欄・空白期間。いっぺんに全部を変えず、1つずつ変えて結果を見る
- 応募数は「月に何社」ではなく「何社出して何社通ったか」で調整する。結果の連絡期限が書かれていなければ、2週間ほどを区切りに問い合わせてよい
目次
書類選考が通らないとき、最初にやるべきことは書類の書き直しではありません。まず「どこに出して、どこで落ちたか」を並べることです。書類選考の通過率には公的な統計がなく、ネットで見かける「平均〇割」は出典がはっきりしないものがほとんどです。他人の平均と比べるより、自分の応募履歴から落ちる理由を絞り込むほうが、早く結果が変わります。この記事では、落ちる理由の見分け方、直す順番、応募数の考え方、結果が来るまでの期間を、エージェントとして書類を見ている立場からまとめます。
書類選考の通過率は公表されていない:自分の数字を測る
「書類選考 通過率」と検索すると、3割、5割といった数字が並びます。ただ、厚生労働省や総務省の統計で、中途採用の書類選考の通過率を集計したものは見当たりません。出てくる数字の多くは、各社が自社の利用者データや独自の見立てで出したもので、母集団も定義もそろっていません。応募先が大手か中小か、職種が経験者向けか未経験可かで、通過のしやすさは大きく変わります。平均値を基準に一喜一憂しても、次に何をすればいいかは見えてきません。
代わりに役立つのが、選考を「段階」で捉える見方です。転職の選考は、応募→書類選考→面接(1〜3回程度)→内定という順に進み、段階ごとに人数が絞られます。内定が出ないとき、どの段階で止まっているかによって、直すべき場所がまったく違います。
| 段階 | ここで止まる状態 | 主に見直すもの |
|---|---|---|
| 応募 | 応募したい求人が見つからない | 希望条件の優先順位、求人の探し方 |
| 書類選考 | 応募しても面接に呼ばれない | 応募先の選び方、書類の中身 |
| 面接 | 面接には進むが次に進めない | 話し方、志望動機、条件のすり合わせ |
| 内定 | 最終で落ちる・条件が合わない | 企業との相性、希望年収の伝え方 |
書類で止まっているかどうかは、自分の記録で判断できます。応募した社名、応募日、職種、経路(サイト・エージェント・企業の採用ページ)、結果を一覧にしておくと、「どの職種で落ちているか」「どの経路だと通りやすいか」が見えます。下の手順で、まず数字を取ってください。
- 応募履歴を一覧にするスプレッドシートやメモに、社名・応募日・職種・経路・必須要件を満たしていたか・結果の6項目を書き出します。過去の応募も思い出せる範囲で埋めます。
- 自分の書類通過の割合を出す結果が出た応募のうち、面接に進んだ数を数えます。結果待ちのものは分母に入れません。分母が小さいうちは割合より「何社中何社」で見ます。
- 通った応募と落ちた応募を比べる職種、企業規模、必須要件の充足、経路のどれかに偏りがないかを見ます。偏りが見つかれば、そこが最初に直す場所です。
書類選考で落ちる7つの理由
書類選考は、採用担当者が「この人に会って話を聞く価値があるか」を判断する場です。落ちる理由は大きく、応募先の選び方の問題と、書類の書き方の問題に分かれます。順番に見ていきます。
1. 必須要件を満たしていない
最も多く、そして書類をいくら直しても解決しない理由です。求人票の「必須」に経験年数や資格、特定の業務経験が書かれている場合、それを満たさない応募は、ほかの応募者と比べる前の段階で外されることがあります。「歓迎」の条件は満たしていなくても応募して構いませんが、「必須」は別です。落ちた応募を振り返って、必須要件を満たしていなかったものが多いなら、直すのは書類ではなく応募先の選び方です。
2. 経験と応募職種のつながりが書類から読み取れない
経験そのものは十分でも、書類の書き方のせいで伝わっていないケースです。たとえば営業経験者が企画職に応募するとき、営業の数字だけを並べても、企画に使える経験(顧客の声を拾って提案を作った、販促資料を作り直した等)は読み手に伝わりません。採用担当者は応募書類を一通ずつ時間をかけて読めるわけではないため、つながりは書類の側で示す必要があります。
3. 職務経歴書が業務の羅列で終わっている
担当業務を箇条書きにしただけで、規模や成果、工夫が書かれていない職務経歴書は、同じ職種のほかの応募者と区別がつきません。何をどの範囲で、どのくらいの量こなしたかが書かれていれば、数字の実績がなくても判断材料になります。具体的な書き方は職務経歴書の書き方で詳しく解説しています。
4. 応募先ごとに書類を変えていない
同じ書類を何十社にも送っていると、志望動機や自己PRが「どの会社にも当てはまる内容」になります。読み手から見ると、自社への関心が読み取れません。全部を書き換える必要はありませんが、職務要約の1〜2行と、志望動機・自己PRは応募先に合わせて差し替えます。
5. 希望条件が求人と合っていない
履歴書の本人希望記入欄や応募フォームに、求人票の提示額を大きく上回る年収、求人にない勤務地や勤務時間を書くと、条件面で合わないと判断されやすくなります。条件交渉は内定前後に行うものなので、書類の段階では細かく書きすぎないほうが無難です。年収の伝え方は希望年収の答え方を参考にしてください。
6. 転職回数や空白期間の説明がない
転職回数が多い、離職期間が長いといった事情そのものより、書類に説明がないことのほうが不利に働きます。読み手は理由を想像するしかなく、悪いほうに解釈されがちです。職務経歴書に一言添えるだけで印象は変わります。回数が多い場合の書き方は転職回数が多い人の伝え方にまとめています。
7. 応募のタイミングと競争の問題
書類に問題がなくても落ちることはあります。募集枠が1名で、すでに面接が進んでいる候補者がいる場合や、人気企業で応募が集中している場合です。これは自分では変えられない理由なので、1社の結果だけで書類の良し悪しを判断しないことが大切です。複数の応募で同じ傾向が出たときに、初めて書類側の問題を疑います。
落ちた理由を切り分ける:状況別の見分け方
企業は書類選考で落とした理由をほとんど教えてくれません。そのため、結果の出方から原因を推測することになります。応募履歴を見ながら、当てはまる状況を探してください。
| 状況 | 疑うべき原因 | 最初にやること |
|---|---|---|
| どの会社にも通らない | 応募先の選び方か、職務経歴書の冒頭 | 必須要件を満たす求人に絞り、職務要約を書き直す |
| 大手だけ通らない | 応募の集中による競争 | 中堅・中小の同職種にも応募先を広げる |
| 未経験職種だけ通らない | 経験と職種のつながりが見えない | 応募職種に使える経験を職務要約の先頭に出す |
| 同業・同職種でも通らない | 業務の羅列、実績の書き方 | 規模・量・工夫を書き足す |
| エージェント経由は通り、直接応募は通らない | 書類単体の説明不足 | 推薦文で補われていた内容を書類に書く |
| しばらく通っていたのに急に通らない | 応募先の傾向が変わった | 最近の応募先の職種・条件を見直す |
表のなかで見落とされやすいのが、経路による差です。エージェント経由の応募では、担当者が推薦文で経歴の要点や転職理由を補っていることがあります。同じ書類で直接応募すると通らない場合、推薦文に書かれていた内容が書類そのものには書かれていない可能性があります。推薦文の要点を担当者に聞き、職務要約や自己PRに取り込むと、どの経路から出しても伝わる書類になります。逆に、直接応募だけで通らない人がエージェント経由で通るようになることもあるため、経路を分けて記録しておく意味があります。
履歴書で落ちないための直し方
中途採用では、採用担当者が主に読み込むのは職務経歴書です。とはいえ、履歴書の不備で印象を落とすのはもったいないことです。履歴書は「正確に、空欄なく、条件を書きすぎない」が基本です。
様式は、市販のものや応募先指定のものを使えば問題ありません。参考までに、厚生労働省は2021年4月に履歴書の様式例を公表しています。日本規格協会のJIS規格の様式例が削除されたことを受けたもので、性別欄は「男・女」の選択ではなく任意記載とされ、記載しないことも可能です。また「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の欄は設けられていません。様式例に法的な拘束力はなく、どの様式を使うかは企業の判断ですが、応募先の指定がなければこの様式例を使って構いません。
- 日付は提出日(郵送なら投函日)になっている
- 学歴・職歴の年号が西暦か和暦のどちらかにそろっている
- 職歴の会社名が「株式会社」まで正式名称で書かれている
- 在籍期間に空白がある場合、職務経歴書側に一言の説明がある
- 資格は正式名称と取得年月で書かれている
- 志望動機欄が空欄や「職務経歴書に記載」だけになっていない
- 本人希望記入欄に、譲れない条件以外を書き込んでいない
- 写真が必要な応募では、最近撮影したものを使っている
- メールアドレスや電話番号に誤りがない
本人希望記入欄は、特に希望がなければ「貴社の規定に従います」と書くのが一般的です。勤務地や職種が複数ある求人で希望がある場合は、それだけを簡潔に書きます。年収の希望額を書くかどうか迷う場合は、応募フォームで求められていない限り、書類では書かずに面接で伝えるほうが調整しやすくなります。
職務経歴書は「応募先から逆算」して直す
職務経歴書の基本的な構成や実績の書き方は職務経歴書の書き方|通過率を上げる構成・実績の書き方にまとめています。ここでは、書類選考で落ち続けているときに、すでにある職務経歴書のどこを直すかに絞って説明します。結論は、求人票から逆算して冒頭を直すことです。
- 求人票の必須・歓迎要件に印をつける応募したい求人を3〜5件選び、必須要件と歓迎要件、仕事内容に出てくる言葉に印をつけます。複数の求人で繰り返し出てくる言葉が、その職種で求められている経験です。
- 自分の経験と1対1で対応させる印をつけた言葉それぞれに、自分のどの経験が当てはまるかを書き出します。当てはまらないものは無理に埋めず、近い経験を探します。
- 職務要約の1文目を書き直す対応する経験のうち、最も重なりが大きいものを職務要約の先頭に置きます。採用担当者は冒頭の数行で読み進めるかどうかを決めることが多いため、ここが最も効きます。
- 職務経歴の並びを入れ替える会社ごとの担当業務のうち、応募職種に関係が深いものを上に、関係の薄いものは短くします。全部を同じ分量で書く必要はありません。
- 第三者に冒頭だけ読んでもらう家族や知人に職務要約だけを読んでもらい、「この人は何ができる人か」を一言で言ってもらいます。応募職種と違う答えが返ってきたら、まだ伝わっていません。
未経験の職種に応募している場合は、経験の一致ではなく「使える経験」を探す作業になります。年代ごとの考え方は未経験の転職は何歳まで可能かで解説しています。
応募数の考え方:何社に出せばいいか
「何社応募すればいいか」という質問には、全員に共通する正解がありません。書類の通りやすさは人によって大きく違うためです。ただ、考え方の順番ははっきりしています。最初は少数で試し、自分の通過の傾向をつかんでから数を増やす、です。
- 最初の数社は、必須要件を満たす求人だけに出す条件が合う求人に絞って応募し、書類そのものが通用するかを確かめます。ここで通らない場合、数を増やす前に書類を直します。
- 結果がそろったら、通過の傾向を見る前の章の表を使って、どの種類の応募が通っているかを確認します。通っている種類の求人を中心に、応募数を増やします。
- 面接の日程を組める数に抑える応募を一度に増やしすぎると、書類が通ったあとに面接が重なり、準備不足のまま臨むことになります。在職中の場合は特に、面接を入れられる枠から逆算して応募数を決めます。
- 通らない状態が続いたら、出す前に止まる同じ書類のまま応募を続けても結果は変わりにくいものです。一定数出して通過がない場合は、いったん応募を止めて、応募先と書類を見直します。
応募の経路を変えるのも手です。転職エージェント経由の応募では、担当者が推薦文を添えたり、書類の段階で企業に補足を伝えたりすることがあり、書類だけでは伝わりにくい事情を補えます。仕組みは転職エージェントの使い方、サイト経由との違いは転職サイトと転職エージェントの違いで解説しています。年代や経験に合うサービスは20代向けの転職エージェントや未経験からの転職に強いエージェントで比較できます。
書類選考の結果が来るまでの期間と、連絡がないときの対応
書類選考の結果が届くまでの期間は企業によって違い、法律や統計で決まった目安はありません。採用担当者が少ない企業や、応募が集中している企業、複数の部署で書類を回覧する企業では、時間がかかることがあります。
| 状況 | 遅れやすい理由 |
|---|---|
| 応募が集中している人気求人 | 書類を読む量が多く、順番待ちになる |
| 現場の部署も書類を見る企業 | 人事と現場の確認を経るため、日数がかかる |
| 連休・年末年始・年度末をまたぐ | 担当者の稼働が少ない |
| 募集枠が少なく、ほかの候補者の選考が進んでいる | 比較のために結果を保留している |
求人票や応募完了のメールに「〇日以内にご連絡します」と書かれている場合は、その期限を待ちます。期限が書かれていない場合は、2週間を過ぎても連絡がなければ、応募した経路から問い合わせて構いません。丁寧な文面で確認するのは失礼にあたりません。
〇〇株式会社 採用ご担当者様。〇月〇日に〇〇職の求人に応募いたしました〇〇と申します。書類選考の状況について、お伺いしたくご連絡いたしました。お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認いただけますと幸いです。問い合わせメールの本文例(件名は「書類選考の状況についてのお問い合わせ(氏名)」)
なお、「通過者のみ連絡します」と明記している企業もあります。その場合、期限を過ぎて連絡がなければ見送りと受け取り、次の応募に気持ちを切り替えるのが現実的です。結果待ちの間も応募の手を止めないことが、活動期間を延ばさないコツです。全体のスケジュール感は転職活動の期間にまとめています。
まとめ:通過率の平均より、自分の記録で直す場所を決める
書類選考の通過率に公的な統計はなく、平均値と比べても次の一手は見えてきません。応募履歴を一覧にし、どの種類の応募で落ちているかを見るところから始めてください。落ちる理由の多くは、必須要件を満たさない求人への応募と、職務経歴書の冒頭で経験が伝わっていないことです。直す順番は、応募先の選び方、職務経歴書の冒頭、履歴書の希望欄。1つずつ変えて結果を見れば、書類選考は少しずつ通るようになります。書類が通ったあとは、面接でよく聞かれる質問の準備に進みましょう。
よくある質問
書類選考の平均通過率はどれくらいですか。
書類選考に全部落ちます。何から直せばいいですか。
書類選考で落ちた理由を企業に聞いてもいいですか。
書類選考の結果はどれくらいで来ますか。
同じ会社に再応募しても大丈夫ですか。
履歴書の性別欄は書かないといけませんか。
この記事を書いた人
リードキャリア キャリアアドバイザー
人材紹介の現場で求職者と企業の双方に向き合い、ホワイト企業に絞った転職支援を行う。SNSでは採用の裏側や企業選びの考え方を発信し、複数アカウントで累計数万人に届ける。


